私たちが作る金型は、長年使い続けると、少しずつ摩耗して形状が変わっていきます。
弊社では、変形部位を復元する為、溶接技術で欠損、摩耗した部位に金属を盛りつけたうえで
自社で復元加工する為のCAMを作成し、マシニング・放電加工を施し
製作当時に出来るだけ近い状態まで復元させ、バリなどの仕上げ性の向上に取り組んでいます。
金型摩耗による復元
摩耗部分に対し溶接により肉付けをする
摩耗部分の状態・形状により、広範囲に肉盛りが及ぶ場合は、アルゴン溶接、薄肉部、または極小範囲の場合は、TIG溶接(微細盛り)を使用し、母材の材質(S50C/SKD材/NAK材等)に合わせて肉付けします
荒加工
溶接で肉付けした部分のうち、まずは余分な部分を荒加工にて取り除きます。
溶接時の熱により、母材に歪みが生じた場合は、歪み抜きを施し、精度を向上させます。
仕上げ加工・調整
荒加工したのちにマシニングや放電機を使い、仕上がり形状まで加工します。製品図・金型データーなどがあれば支給ください。
データーが無い場合でも近傍値を測定し、正規ラインに出来るだけ近い状態に復元します。(形状によっては、復元できない場合もあります)
復元形状と、元の形状との繋がりは、手加工にてすり合わせをします。
金型破損による復元
破損部分に対し溶接により肉付けをする
金型をセット仕損じた場合に発生する破損状態を復元します。
破損部分の状態・形状により、広範囲に肉盛りが及ぶ場合は、アルゴン溶接、薄肉部、または極小範囲の場合は、TIG溶接(微細盛り)を使用し、母材の材質(S50C/SKD材/NAK材等)に合わせて肉付けします。
肉盛り量が多い場合は、ブロック、コマなどで肉付けする場合もあります。
復元加工
破損部分だけを抽出した加工CAMを作成し、溶接で肉付けした部分の再現加工を施します。
再現加工した部位との繋がり部分が摩耗などにより段差となる場合、手加工により擦り合わせ仕上げます。